(2010年2月現在)
セコムの舟生です。
今回は、前回に引き続き、キッズデザイン協議会の小野裕嗣専務理事と、キッズデザイン賞の審査員をされる産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センターの西田佳史さんにお話をうかがいます。
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■キッズデザイン賞について
西田さん:たとえば遊具を例にするなら、“リスク(risk)”と“ハザード(hazard)”を分けて考えようと思っています。リスクを全て除去した遊具、ケガをまったくしない環境の構築は、実際には不可能です。それに、ケガするリスクを全て回避してしまったら、「難しそうだけど、挑戦してみよう!」という気持ちを潰してしまい、子供の成長を妨げかねません。そこで“重篤なケガに陥るような危険”を、そのほかときちんと分けて、それをハザードと呼び、ハザードについて考慮されているかどうかが、ひとつのポイントではないかと考えています。定量的なスケールがあるかといえば、今のところは「ない」と考えています。
舟生:先日、学校の遊具で木製の棒が1本折れて倒れ、児童が怪我をした事故がありましたね。結果的に、大きなケガにはなりませんでしたが、あの事故については、どのようにとらえるべきでしょうか?
西田さん:結果的には大きな事故にはなりませんでしたが、あのケースは“大きな事故”になりえたととらえるべきでしょうね。なぜなら、これに類似した事故は過去にたくさん起こっています。今回は「たまたま助かった」というべきで、あきらかに「ハザード」ということになると思います。
舟生:そこですね、問題は。「大したケガにならなかったから良かった」と言い切れないものが、事故の中にはたくさんあるわけです。
西田さん:少なくとも、キッズデザイン賞にエントリーしてくる作品については、リサーチ部門のエントリーに関わらず、過去に類似製品でどういう事故があったのかという調査を行った上で、安全性について「どう考慮したのか」を発表してほしいと考えています。
小野さん:キッズデザイン賞は、ある基準を超えている製品を認定するというような賞ではなく、前の製品よりも一歩でも改善されている点を評価していこうというものですから、ある意味で総体的な評価になるかもしれませんし、ある意味では、あいまいな評価という部分も残るかもしれません。ただ、いろいろな専門家の方々の評価で「これは子供目線の製品だ」「子供基準になっている」ということであれば、それはいい評価が出てくる気がします。そのへんは、初めてのアワードになりますので、実際に応募された製品を見てからの判断となると思います。
舟生:製品だけをとってその物のレベルをみるというよりは「これは子供目線の製品だ」「子供基準になっている」といった、総体的なものをみるという感じのようですね。ただ、当然、必要最低限のレベルは、クリアしていなければならないですね。
小野さん:そういうことですね。SGマークとか、玩具ではSTマーク、JISも一部関係がありますが、そういった基準をクリアしていることは必要かもしれません。それプラス、それだけでは子供の“安全・安心”が保てないとすれば、その製品をデザインするにあたって「何を工夫したか」というのもあるでしょう。ただキッズデザイン賞の審査に関しては、あまり基準を明確にしないで“それぞれの製品に適した評価基準で、審査員のみなさんが納得いくものであれば評価をしていく”という柔軟性を持たせています。エントリー側から「これが我々の会社が考えた、キッズデザインです」と提案をしていただいて、それに対して、審査員が判断するというのもいいと思います。
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■子供を育てる“ケガをさせる遊具”の大切さ
舟生:2月18日に放送された『NHKスペシャル ドキドキ・ヒヤリで子どもは育つ~遊具プロジェクトの挑戦~』には、一部、そうところがありましたね。火や刃物を使うということに対して、少し前までは、危険だからと子供から遠ざけていましたが、最近、やっと、実際に使ってみて少々のケガなり火傷なりしたとしても、実際に経験することで、本当の意味での火や刃物の危なさを知り、大きな事故を防ぐという考え方が出始めているようですね。◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
2回にわたって、キッズデザイン協議会事務局長の小野裕嗣 専務理事と、キッズデザイン賞の審査員をされる産業技術総合研究所デジタルヒューマン研究センターの西田佳史さんにお話をうかがいました。2007年04月25日(水)
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