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安全のプロのママと話そう!【3】
わが子の「ヒヤリハット」体験談(前編)

セコムの舟生です。

ママ達と座談会 「ヒヤリハット」今回から2回にわたって、NPO法人子どもの危険回避研究所のみなさんとの座談会第3弾をレポートします。

先日ご紹介した、「子供目線の製品について、どう思う?」に続く3度目の開催です。

今回の座談会に参加していただいたのは、子どもの危険回避研究所所長の横矢さん、副所長の西江さん・廣田さん、「キッズデザイン博2008」や前回の座談会にも参加いただいたヴルチェク実奈子さんに加えて「ただ今、子育て真っ最中!」のセコム社員ママの大根さんと長瀬さんにも参加してもらいました。

テーマは『子育て中のヒヤリハット』です。子育て経験者が共感できるようなヒヤリハット事例から子育て談議まで、いろいろな話で盛り上がりました。

* * * * * *

セコム社員ママさんも参加した座談会第3弾スタート!
ママ達と座談会 「ヒヤリハット」舟生:今回は、現在子育てに携わっているセコムの女性社員2名にも座談会に参加をしてもらいました。まずは、自己紹介をお願いします。

大根:セコムショップ原宿店でセコムセレクションを担当しています、大根(おおね)と申します。2歳2ヵ月の男の子と生後9ヵ月になった男の子がいます。今年の4月から職場に復帰をしました。今回、座談会に出席しようと決めたのは、自分自身が小さな子供を持つ母親の立場であると同時に、そういった子供の危険を回避するための安全などに関わるグッズを販売している立場として、皆様のご意見を聞いたうえでセコムセレクションの今後の発展にもつなげていきたいと思ったからです。どうぞよろしくお願いします。

長瀬:セコム本社で大型施設のセキュリティを担当する部署で仕事をしております、長瀬(ながせ)と申します。大型施設のセキュリティとは、例えば、大規模ビルですとか、空港や競技場とかですね。子供は3歳と1歳の男の子がいます。

横矢さん:お子さんがまだ小さいのに、正社員として仕事を続けられるんですね。セコムさんは働く女性にとって仕事がしやすい職場なんですね。

長瀬:そうですね。小さい子供を持つ女性社員も、結構働いています。

大根:制度的には割合に恵まれていると思います。それから職場環境のよさですね。こうやって仕事が続けられるのは職場のスタッフの理解があってこそ、だと思います。

横矢さん:セコムさんには“ママさんサークル”のようなグループがあるって伺ったことがあるのですが、いかがですか?

長瀬:サークルというわけではないんですが、同じ原宿の本社ビルに勤める子育て中のママメンバーで月に1回食事を共にして、普段、職場では言えない育児・子育ての不安や心配事、グチなど話したり、子育ての先輩からアドバイスをしてもらったりしているんですよ(笑)。

横矢さん:周りに男性がいると、どうしても話しにくい話題もありますものね。

大根:出産・子育てを経験してきた先輩からのアドバイスはとても役立ちます。

舟生:セコムは男性が多い職場ですからね。そうやって女性社員が集まって情報交換をするのは素晴らしいことだと思いますよ。

横矢さん:同じ職場の先輩方の体験談やアドバイスがいただけるのは心強いですね。何人くらいで会食をされるんですか?

大根:15~16人位ですね。女性ならではの悩みや、子育て中のヒヤリハットについても意見交換をすることがあります。


台所でのヒヤリハット
横矢さん:情報交換できることはいいことですね。今回の座談会は“ヒヤリハット”がテーマですが、どういったヒヤリハットを感じていらっしゃいますか?

大根:小さな子供って、目を離すと何をするか分からないのが怖いですよね。一番怖かったのは、上の子がキッチンのシンク下にあるキャビネットを開けて包丁を取り出して、まるでカニさんのように両手に包丁を持ってリビングに登場したことです。

舟生:それは、何歳くらいのときのことですか?

大根:1歳半くらいのときです。

横矢さん:包丁ですか。それはビックリされたしょう。まだ、お子さんがキャビネットを開けられないだろうと、お考えでしたか?

大根:いえいえ。キャビネットには子供が開けられないように“キャビネットロック”を取り付けていたのですが、私が“カチャ”っと、きちんとロックがかかるまで締まったかどうか確認するのを忘れたのが、そもそもの原因です。その日、私は外出する用事があったので主人に留守番をお願いしていたのですが、主人はキャビネットロックが不完全だったことに気付かなかったんです。

横矢さん:私共の研究所にも同じような投書がきているんです。その(投書の)話というのが、自宅では子供がいたずらできないように戸棚やキャビネットなどにロックをしているのに、同じ年代の子供を持つ家に遊びに行ったときに、子供たちがシンク下のキャビネットを開けて包丁に手をかけていたそうで、それを発見した親たちが大騒ぎになったそうなんです。お友達の家に遊びに行ったお母さんは「お友達の家にも同い年の乳幼児がいるから、自分の家のように子供の安全に気を配っている」といった思い込みがあったのかもしれませんね。「自分のところはちゃんとしているから」という安心が、予想外のところで盲点となったという事例で、“他人の家”と“実家”で起こることが多いんです。それと、パパとの留守番の時ですね。

舟生:子供がこんにゃくゼリーを喉に詰まらせる話もそうですが、家では食べさせないけれど友達の家では食べていたといったこともありますから、“わが家は大丈夫”という考え方は本当に危ないですね。

横矢さん:私たちは、「子供の安全を守る対策は“幾重にも用意して”」と話しをしています。例えば、ロックがひとつ外れても大丈夫なよう幾重にも対策を講じておくとよいですね。

舟生:でも包丁のしまってあるシンクにガチガチに鍵をかけたら、ちょっと不便ですよね。

ママ達と座談会 「ヒヤリハット」西江さん:乳幼児がキッチンに入れなくすることが安全面では大切だと思いますが、乳幼児をキッチンに入れなくするというのも物理的に難しいですよね。

横矢さん:そういえば見学に行ったお宅での失敗談ですが、赤ちゃんが通りにくいように大きな植木鉢を置いたそうなんです。家の中にグリーンがあると見栄えもいいですし、一石二鳥だと考えたらしいのですが、今度は赤ちゃんが植木鉢の土を食べてしまって、すぐにやめたそうです。「子供から目を離すな」という言い方をしちゃうと、子育てに奮闘しているお母さんたちから「いつも監視をしていなければならないの?」という意見をもらうこともありますから、目を離してもいいように準備をしておくことが大事ですよ、とお伝えしています。

舟生:そうですね。「常に目を離すな」というのは現実的に不可能ですからね。

横矢さん:日頃から子育てに疲れきっているお母さんたちは、こういった何気ないアドバイスでもすごくショックを受けてしまうんです。

舟生:子供が関わる事故について、今までの流れだと、常に「親が目を離したからいけない」で片付けられてきました。事故が起こる度に、「親は子供から目を離さないようにしなさい!」という結論で終わってしまい原因の究明や解決がなされないままになってしまうと、結局、また同じような事故が繰り返されてしまうんです。
事故を起こした時に親の責任を問うのではなく、本来なら事故を起こした物品について検証し、改善していく必要があるはずなんです。ただ、社会の風潮では子供が引き起こした事故は「保護者が悪い」ですよね。そういったこともあって、子供が事故に遭ってもメーカーなどにクレームをつけないのだそうですよ。実際に事故があって明らかに物品のほうに問題があっても、クレームがあがるのは良くて3%だそうです。

横矢さん:それに、自分の子供をケガさせたという負い目を感じるわけですから、言うのは辛いところがあると思います。

舟生:苦情を言ったところで、「あなたがお子さんから目を離したのが悪い」「保護者の方は保護責任を果たしていなかったのですか?」などと、逆に言い返されたらどうしようと黙ってしまうことも多いでしょう。しかし、保護者といえども子供を24時間監視するのは不可能です。メーカーに直接苦情を言うというのはなかなか勇気がいりますが、全国の消費生活センターなど、相談を聞いてくれる窓口がいくつもありますので、そういったことをもっと周知できると良いのではないかと思います。

横矢さん:ただ、企業も消費者の声が上がってくることを待っているだけではなく、事故サーベイランスのように起きた事故のデータをうまく集めていき、そのデータが反映されるようになっていかないといけませんね。


お兄ちゃんへの過剰な期待は事故のもと
長瀬:先日、旅行に行くので高速バスに乗ったのですが、そこで3歳になる上の子が、親に手助けされずにひとりで乗降したいと言い出したんです。それまで路線バスの階段の昇降はひとりでできていたのでやらせたのですが、(高速バスの)階段の段差が高くて転倒してしまったんです。幸い、頭にタンコブができただけで済んで良かったのですが、親としては「ああ、もう少し気をつけなければいけなかったな」と思った出来事がありました。

横矢さん:分かりやすい例と言っては失礼なのですけど、子供が2人いると上の子がそれほど成長していないのに、お兄ちゃんだと思うと期待しちゃうというか「できる」と思っちゃうんです。「お兄ちゃんだから、できるわよね!」と言う感じですね。また、お兄ちゃんはお兄ちゃんで、お母さんにできるところを自慢したいので、「できるよ!」と、言っちゃうんです。だから、普段とちょっと状況が違うだけで事故に結びついたりするんです。小さな子供の場合、ほんの数センチの差でいろいろと状況が変わってきてしまうので、保護者は注意が必要ですね。でも、軽いケガで済んで良かったです。ぜひ、無理をせずに手などをつないであげてくださいね。ヴルチェクさんのところはいかがですか?


ヒヤリハット事例の多いエレベーター
ママ達と座談会 「ヒヤリハット」ヴルチェクさん:4歳になる娘が2歳過ぎの頃、ある大型複合商業施設に家族3人でショッピングに行った時の話です。うちの子は歩き始めるのが遅くて歩き始めたのが1歳半くらいで、イイ感じで走れるようになったのも2歳を過ぎていたんです。そんなもので、わが子が元気に歩き回る成長ぶりが嬉しくて、その日も親の3m先を娘に歩かせる感じで、娘の様子をパパがムービーで撮影していたんです。すると、私たちが気付かなかった場所にエレベーターがあって、その扉が開いてエレベーターに娘がスーッと入ってしまったんです。その時は、私も思わず悲鳴をあげてしまいました!

横矢さん:パパさんはカメラのファインダーを覗きながら娘さんを追いかけていて、エレベーターが見えていなかったのですか?

ヴルチェクさん:パパからも、私からも、エレベーターが見えていなかったんです。幸い、間一髪のところで私が間に合い、エレベーターを止めることができましたが、もし娘がひとりで乗ったままエレベーターが動いていたらと想像すると怖くて…。「もし、扉に挟まれてケガをしてしまったら」とか「誘拐されてしまったら」などと考えると反省するばかりで、ビデオを観る度に戒めにしています。

横矢さん:スタッフでも1人、いましたよ。ママ同士でお喋りをしていて、子供は一緒にいるから大丈夫だと思っていたら、ひとりでエレベーターに乗っちゃって。それで、どこにいるのか分からなくなってしまって大騒ぎになってしまったという話は聞きますね。


子供の目線で危険をチェックする
舟生:話がズレるかもしれませんが、大人同士って携帯電話を持っている人が多いので離れても容易に連絡を取り合うことができますが、子供が離れてしまうと探し出すのも大変ですね。先ほどの話ではありませんが、子供がひとりでエレベーターに乗ってしまい、どこへ行ってしまったのか分からなくなった場合など、そのお母さんは、きっとお手上げ状態だったのではないでしょうか?携帯電話の登場で生活が便利になった反面、我々自体のそういった能力が昔より落ちているのではないかと感じることがあります。私は子供と一緒にデパートへ買い物に行く時など“常に子供を見ていよう”という意識はあるのですが、時に「あれ、子供は?」と、一瞬見失うことがあります。多分、子育てをなさってきた方なら、どなたでも似たような経験をなさっているのではないでしょうか?

横矢さん:そうですね。また、子供の視野が狭いことも関係するでしょう。背が低かったり、視野が狭かったりして、大人が思っているほど、子供からは周囲が見渡せません。そういった部分もきちんと考えておかなければいけないでしょうね。

舟生:子供の視野と言えば、キッズデザイン協議会が大型店舗で調査をしたことがあるんです。店内で使用するカートの子供の目線にあたる部分にカメラを設置して、カートを押しながら店内を歩いたのですが、子供目線だと想像以上に周囲が見えないんですよ。普段、大人が何気なく持ち歩いているデイバックがちょうど子供の顔の位置に来るんです。正直、「怖いな!」って思いました。

西江さん:路上に駐輪している自転車のハンドル部分も、ちょうど子供の顔のあたりにきますので、子供を連れて歩道を歩く時には、ちょっと気をつけたほうがいいですよ。それから、棚に小型の商品をかけるために吊るしてあるフックも眼の高さにありますよね。

舟生:マネキンの指も子供の目の高さあたりにあったりするんですよ。

横矢さん:そうですよね。ポーズによっては子供の眼の高さに来ちゃいますよね。マネキンの指は硬いし尖っているので、“思わぬ危険、ココにあり!”って感じです。

西江さん:歩きタバコの火も危ないんですよ。あと相変わらず子供の事故が多いのがエスカレーターですね。

横矢さん:大人の意識からすれば全然問題のないことでも、子供目線で見てみると「危ない」「問題がある」と感じるところがあることに大人が、企業が、社会が、もっと関心を示してほしいものです。

舟生:タバコの火なんて眼にあたれば失明してしまいます。安全を考える際に、少しでも子供の目線を考えてもらえれば、子供やご年配の方々だけでなく多くの人にとって安全・安心で住み良い社会に近づけると思います。


* * * * * *

次回は、エスカレーターの“ヒヤリハット”からスタートです。エスカレーター利用の現状と問題点について話を進めていきます。兄弟がいる場合の“ヒヤリハット”に関する話題もあります。ぜひ、ご期待下さいb(⌒o⌒)

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